知っておきたい環境用語

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環境配慮設計

製品の生産者が生産や使用段階だけでなく、廃棄やリサイクル段階まで責任を負う「拡大生産者責任」の考え方が欧州を中心に世界的に広がりはじめている。日本でも循環社会形成推進基本法や、各種リサイクル法にその考え方が取り入れられている。その結果、今後生産者は製品の設計段階から、廃棄物の発生抑制や循環利用などに配慮することが必要になる。

設計段階で製品のライフサイクル全体を考慮し、廃棄物の発生量や環境負荷などを最小化するための対策を織り込むことを「環境配慮設計」という。例えば、解体しやすくする工夫や、部分交換を可能にする設計などがある。こうした取り組みは大企業を中心に多くの業界に拡大しつつある。大企業は環境に配慮した資材調達、いわゆるグリーン調達を進めているが、これに対応し部材を供給する中小企業でも環境配慮設計が浸透しはじめている。

もっとも、独立系の中小企業や最終製品を製造する中小企業では取り組みが十分とはいえない。余分なコストがかかるため、特に要請がない限り、導入のインセンティブが働きにくいからである。

中小企業の取り組みを促すには、環境配慮設計に関する情報を中小企業でも入手できる環境を整備する必要がある。例えば、行政が情報を収集し、ウェブサイトなどで広く公開していくなどが有効である。企業によっては環境に配慮しつつデザインも工夫した製品を開発している実例もあることから、環境配慮設計をひとつのビジネスチャンスととらえる考え方を広めていくことも中小企業の意識を高めるうえで重要な課題となろう。

消費者はどのような製品であっても環境により配慮した製品の購入を優先的に検討することなどで、そうした企業の取り組みを後押しする必要がある。行政も消費者向けの製品ガイド発行などの形で、導入に積極的な企業を支援することができる。大企業から中小企業に広がってはじめて日本に環境配慮設計、拡大生産者責任が定着したといえるようになる。
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参考文献:H18.5.31 日経
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