ワックス剥離廃液(清掃廃液)の処理
環境への取り組みが大きく変化し、各種廃液を適正に処理しなければ厳しく罰せられる時代。
ここ数年でビルメンテナンス業者様や清掃業者様から排出されるワックス剥離廃液の処理についてのお問い合わせを多くいただくようになりました。この処理については、廃棄物処理法や下水道法等の関係法規が絡む問題でもありますので、安全で適正な処理をすることは企業としてのリスク軽減にもつながり、またコンプライアンスの重要性が叫ばれるようになった今、企業の社会的責任という立場からも適正な処理が求められております。弊社では、廃液を産業廃棄物(廃油)として焼却処分することをご提案させていただいております。
ワックス剥離廃液(清掃廃液)について

ワックス剥離廃液は、法令上の種類は「産業廃棄物又は特別産業廃棄物の廃アルカリ」と「産業廃棄物の廃油」の混合物になります。
- (1)廃棄物処理法では、事業活動に伴って排出されるすべての液体と固体を産業廃棄物と規定しているのでワックス剥離廃液は例外なく産業廃棄物となります。
- (2)下水道法での、流すことのできる汚水の許容限度の値と一般的なワックス剥離廃液の値は下記の通りです。いずれもBOD(生物化学的酸素要求量)においては大きな隔たりがあるので、そのままワックス廃液をそのまま下水に流すことはできません。
下水道法の許容限度 (東京都を例として) |
ph5〜9 |
BOD 600mg/L |
一般的なワックス廃液 |
Ph9.8 |
BOD 50,300mg/L |
一般的な洗剤廃液 |
Ph9.1 |
BOD 1,500mg/L |
(社)全国ビルメンテナンス協会調べより
このようにワックス剥離廃液は産業廃棄物にあたり、
処分業者にて適切な処理が必要です。
ワックス剥離廃液(清掃廃液)の排出者が誰になるのか?
ワックス剥離廃液が産業廃棄物にあたるという観点から、その排出者は――
- (1)建物の所有者
- (2)メンテナンス業務の発注者
- (3)メンテナンス業者
の3者が考えられ、各自治体や役所においても議論が分かれるところだと思います。
他の関係法規との絡みで、実際に問題が起きた時にどの責任において対処するかは曖昧で、各自治体や役所によって見解が異なる場合があります。
関係法規:
■ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
■ 下水道法
■ 水質汚濁防止法等

■ 廃棄物の処理および清掃に関する法律では
・当該廃液を不法に放流した場合、実行者(会社)が投棄禁止違反となるだけでなく、メンテナンス業務の発注者も排出者責任を問われる可能性あります。
・平成22年の法改正で投棄禁止違反の法人に対する罰金がさらに引き上げられ、「5年以下の懲役若しくは3億円以下の罰金、又はこれを併科する」となっています。
※のちのリスクを考えれば、ワックス剥離廃液(清掃廃液)を産業廃棄物として適正に処理することの重要性がわかります。
弊社がご提案する処理方法について
ワックス剥離廃液のような高BOD・COD廃液に対しては、焼却処分が最も簡単で確実な処理方法です。
油水分離→中和→酸化→放流の処理も可能ですが、その種の中間処理施設が少ない上に施設ごとに酸化能力が異なるため、液質によっては処理できないものもあります。また、排出地近くの処分場確保が難しい可能性もあります。多くの事業所で薬剤を購入して、ワックス廃液を中和・ph調整後に下水へという方法が多いようですが、BOD、COD、SS、n-ヘキサン等の排出基準を下回らなければ、下水に流せません。
ですので、薬剤購入費、中和作業にかかる人件費等を考えますと、弊社での委託処理(焼却処分)のほうがコスト的にも、また、作業を行う方や排出事業者様にもリスクが少なく安心・安全ではないでしょうか。
収集運搬・処理費用について
弊社で収集運搬したワックス剥離廃液は産業廃棄物(廃油)として焼却処分いたします。
荷姿に関しては、ポリタンクやペール缶等、とくに指定はありません。また、固定タンクに保管の場合もモーターポンプにて積み替えて回収が可能です。
基本的には容器はこちらでご用意させていただき、ある程度、溜まった時点で回収にうかがいます。
収集運搬・処理費用
排出量や回収場所にもよりますが、収集運搬・処分を含む処理費用として、1Lあたり100円からの範囲となっております。

他方法との比較
当社焼却処分方法 |
薬剤投入中和等、他の処理方法 |
■剥離廃液使用後は、
剥離廃液を当社でご用意するポリ容器又はタンクへ移し替える作業のみ。
回収時にポリタンク交換、又は回収車両のモーターポンプにてタンクより回収。
※使用後の廃液を移し替え作業のみで、作業する方の手間もほとんどかかりません。
当社運搬車両にて回収後、処分場へ搬入し焼却処分
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■剥離廃液使用後は、
(例1)
剥離廃液に薬剤等投入し中和処理後下水へ
(例2)
剥離廃液に薬剤を投入し攪拌、ろ過し沈殿物や汚泥を廃棄
■例1、例2の場合は
※ 薬剤投入、攪拌等、作業する方の手間が多い。
※ 固形化させた物は産業廃棄物としての処分となります。
※ ろ過した廃液も下水道法、水質汚濁防止法等の基準値をクリアしていなければ下水に流すことはできません。
※ 中和のみでも下水道法、水質汚濁防止法等の基準値をクリアしていなければ下水に流すことはできません。
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■処理費用
収集運搬処理費用は1Lあたり100円から。
例)100円/Lの処理費用として
20L容器1本で2,000円となります。
(回収はある程度の量を溜めていただいてからの回収となります。)
※廃液そのもの全てを産業廃棄物の廃油として回収・処分しますので、作業員の方の手間もかからず簡単・確実です。また処分に関してコストダウンにも貢献できるのではないでしょうか。 |
■処理費用
薬剤購入費+沈殿物や汚泥は産廃となるので産廃処理費
=処理コスト
※2重コストで割高になる。
※ 中和作業、攪拌作業等、作業する方の手間がかかる。
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