環境トピックス

  

中国沿海地域で「洋ごみ」密輸が依然として活発

中国では90年ころより海外から運搬されてくる有害廃棄物を「洋ごみ」として取り締まっているが、その取引は依然として行われ、沿岸地域の汚染の状況は深刻だと報じられた。
「洋ごみ」は中国が輸入を禁止している固形廃棄物で、廃タイヤや電子製品などの産業廃棄物のほか、古着や生活ごみ、医療ごみなどを含む。これらは関与業者によって中国に密輸されたのち、分別され、販売されることで高い利益が上がっているという。
しかし、すでに汚染されたごみも含まれているため、中国沿岸地域の環境と人体の健康に及ぼす影響が危惧され、警戒が必要だと専門家が指摘している。
近年、「洋ごみ」の密輸は増加する一方で、国内のごみの埋め立ての状況も大きな問題となっており、政府による対策や社会全体の環境保護への意識の啓蒙を進めていかなければならないだろう。


中国の大規模な大気汚染が深刻化

2013年1月11日ごろから中国における大気汚染が深刻化している。東部および中部の各地では濃霧の影響も相まって、汚染物質が滞留。特に北京市では微小粒子状物質の「PM2.5」(直径が2.5μm以下の超微粒子)の濃度が、一時、基準値の10倍以上の高濃度を観測し、13日に北京市当局が住民に対して外出を控えるよう警報を出す事態となった。
濃霧は一定の条件下で現れる自然現象のひとつとされているが、自動車や工業地域からの汚染物の排出量の増加が根本的な原因であるという見方が濃厚だ。「PM2.5」はぜんそくや肺炎の原因となるおそれがあり、非常に微細なため、マスクでも防ぐことが難しいと言われる。
現在、中国の環境保護部門は効果的な汚染防止の策を持っておらず、汚染企業に対する法的措置の強化やさらなる厳罰化が大きな課題として突きつけられそうだ。


胆管がんと印刷現場 環境劣悪 低い順法意識

印刷会社の元従業員らが胆管がんを相次ぎ発症していることを受けて行われた厚生労働省の調査。新たに判明した3人の発症者とともに明らかになったのは、問題発覚のきっかけとなった大阪市の会社をはじめとする印刷現場の劣悪な環境だ。厚労省は今後、法令順守の徹底を図るとともに、発症者の労災認定にも関わる職場環境や使用された化学物質と胆管がん発症の関係について詳細調査を行う。

 ◆刺激臭、マスクなし
 「換気をなんとかしてほしい。このままでは体がもたない」。大阪市の印刷会社では十数年前、当時の従業員の男性が上司に作業場の換気の改善を求めた。
 きっかけは同僚が肝炎で入院したこと。男性は「『洗浄剤のせいちゃうか』と疑ったやつもいたけど、上司にこっぴどく怒られて、だれも何も言わなくなった」と話した。
 問題の作業場は平成3年に完成。地下1階に印刷見本を刷る校正印刷機を7台設置。業務は昼夜2交代制で、印刷機は24時間フル稼働状態だった。印刷機に付着したインキを洗い落とすため、刺激臭の強い有機溶剤を使用し、1回の勤務で300〜千回の洗浄作業を繰り返したが、マスクの着用などはなかったという。
 厚労省はこの会社で12人が発症し、6人が死亡したことを確認。元従業員らの支援を行う関西労働者安全センターによると、ほかにも従業員1人が発症して死亡しているという。

 ◆換気と特定化学物質
 何が問題だったのか。厚労省によると、複数の発症者が確認された大阪市と宮城県の印刷会社で共通していたのが、作業場内の「換気の悪さ」。そして「1、2ジクロロプロパン」という化学物質を洗浄剤として大量使用していたことだ。
 厚労省は今月、大阪市の会社で洗浄作業の再現実験を実施。動物実験で発がん性が指摘されている「1、2ジクロロプロパン」と「ジクロロメタン」を使い、空気中の拡散状況などを調べた。その結果、作業場内では米国の学会が示す平均許容濃度に対し「ジクロロメタン」は2・6〜7・2倍、「1、2ジクロロプロパン」は6〜20倍の数値を検出した。
 有機溶剤中毒を防ぐため国は局所排気装置などの設置を義務付けているが、大阪市の会社は未設置。調査ではマスクを使用していないなどの違反をしている事業所が多いことも明らかになった。厚労省幹部は「印刷現場の順法意識は乏しいと批判されても仕方がない」と憤る。

 ◆労災認定の基準なく
 今後の課題は胆管がん発症者への労災認定だ。すでに全国計8人が労災申請をしているが、胆管がんを理由とした労災認定は過去に例がなく認定基準もない。認定には、労働とがん発症の因果関係を特定しなければならない。厚労省は「印刷会社で使用していた化学物質と胆管がんの因果関係を示すデータはない」と説明。「特定には時間がかかる」とする。
 「5年」という労災請求の時効も立ちはだかる。今回確認された8人の死亡者のうち少なくとも5人は死亡から5年以上経過。東京労働安全衛生センターの飯田勝泰事務局長は「健康影響は胆管がんの多発が証明している。被害の甚大さを考慮し、厚労省は時効を適用しない方針を示してほしい」としている。

yahoo ニュースより引用
産経新聞 7月11日(水)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120711-00000088-san-soci


原発汚染土壌の中間処理施設、8都県に要請へ

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質に汚染された土壌を保管する中間貯蔵施設について、環境省は28日、福島県を含む8都県に対して設置を求める方針を固めた。環境省の南川秀樹次官が同日、明らかにした。
8都県は、東京都と福島、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉県。各都県がそれぞれ保管し、他県からは持ち込まない方針を打ち出した。国はこれまで福島県だけに同施設の設置を求めていたが、同県側は強く反発していた。南川次官はこの日、福島県郡山市で「仮置き場の土を保管する施設の設置が具体化しなければ除染は進まない」と述べた。
中間貯蔵施設は、放射性物質に汚染された土壌や焼却灰を長期的に保管することを想定しており、各自治体が一時的に保管する借り置き場から集められる。

2011.9月28日 読売新聞


環境相がCO2排出ゼロ企業認証制度 年度内にも第1号

環境省は温暖化ガスの「排出ゼロ企業」を認定する制度を設ける。事業活動を通じて排出した二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスを排出枠の購入などで全て相殺した企業などが対象で、今年度内にも第1号を認定する見通し。認定企業は同省が作成した認証ラベルを製品や名刺につけることで、温暖化対策に積極的な姿勢を消費者や取引先に示し、販売増を狙う。
創設するのは「カーボンニュートラル(中立)認証制度」。自社の生産活動などで生じた温暖化ガスのうち、社内の努力では削減しきれない分をガス排出枠の取引制度で相殺する企業を対象とする。
日本興亜損害保険や阪急電鉄などは温暖化ガスの排出量を排出枠取引で相殺する取り組みを進めてはいるが、ガス排出量が実質的にゼロになったことを認証する国内の統一基準はなかった。同省は国際基準に基づく温暖化ガス排出量の算定方法などの基準もまとめ、認証の信頼性を高める。

2011.9月29日 日本経済新聞


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