環境トピックス

首相、地元理解前提に原発再稼働の意向 老朽化なら廃炉

野田佳彦首相は2日の記者会見で、安全性に不安のある老朽化した原子力発電所について、順次廃炉を進める考えを表明した。原発建設に関して「新たに造るのは現実的に困難だ」とも指摘した。運転停止中の原発の再稼働には前向きな考えを強調。「安全性をチェックしたうえで、しっかりと地元に説明をしながら、再稼働をしたい」との意向を示した。
再稼働については来年の電力需要が逼迫する恐れがあることを理由に挙げたうえで、電力不足が国内経済の足かせにならないよう配慮する考えを示した。今後のエネルギー計画では「国民の不安を取り除く形のエネルギーのベストミックスを構築する」と強調した。
一連の首相発言は原発依存度を段階的に引き下げる菅内閣の方針を継承しつつ、現実路線への微修正を図っている。エネルギー計画の見直しでは「新エネルギーの開発、自然エネルギーの代替的普及、省エネ社会を着実に推進する流れの中で、丁寧にエネルギーの基本計画を作り上げないといけない」と述べた。

2011、9月2日 日本経済新聞

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