環境トピックス

パナマ会議:温暖化対策の新枠組み協議 1日から

京都議定書に定めがない13年以降の国際的な温暖化対策の新枠組みを探る事務レベル会合が10月1日〜7日、中米パナマで開かれる。年末の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、京都議定書に代わる新議定書の合意を目指すが、先進国と途上国の意見対立が激しく、採択は困難な情勢だ。
このため今回のパナマ会合では、新枠組みのあり方とともに、それまでの「つなぎ期間」についても議論される見通し。12年末までの京都議定書の削減義務期間(第1約束期間)を数年間、延長する案も浮上している。
 交渉が難航する要因は、昨年メキシコで開かれたCOP16で採択された「カンクン合意」の位置づけやその後の交渉の進め方で、先進国と途上国の解釈が異なるためだ。
 同合意は、先進国の削減目標と途上国の削減行動を、自主的に設定することなどを盛り込んだ。新枠組みの基礎となり得る合意だったが、途上国はその後、「京都議定書に基づく先進国の新たな削減義務の設定が先だ」と主張。また「途上国の行動には資金が必要」と資金面の議論を優先するよう求めた。
 一方、日本は新たな約束期間の設定に強く反対し、「京都議定書に代わる新たな枠組み」を主張。京都議定書から離脱した米国も「中国やインドなど新興国が削減行動をとらない枠組みなどあり得ない」との立場をとる。
 欧州連合(EU)を中心に「近い将来、米国や中印も参加する新枠組み実現」を条件に、京都議定書の約束期間を数年間、延長する案が浮上しつつある。どの国にも法的な削減義務のない「空白期間」を避けるためで、途上国にも「暫定延長」案を支持する意見がある。新枠組み合意の期限は15年ごろを想定していると見られる。
年末のCOPで日本に対して、途上国などから「京都延長」への圧力が強まる可能性が高く、パナマ会議でも激しい応酬が予想される。

2011.9月30日 毎日新聞

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