環境トピックス

  

北極海の海水、過去2番目の小ささに 温暖化影響

米国立雪氷データセンター(NSIDC)は、今年の北極海の海氷が観測開始以来、2番目に小さい面積となったと速報値を発表した。 NSIDCによると、今年の海氷は9月9日に最少に達したとみられ、面積は433万平方キロ。人口衛星による観測を始めた1979年以来、最少だった2007年の417万平方キロとわずか16万平方キロの差に迫った。衛星観測での誤差や今後の気象条件で多少動く可能性もあることから、過去最少とみる研究グループもあるという。79〜00年の平均値671万平方キロに比べると、35%小さかった。 温暖化の影響で北極海の夏の海氷の面積はこの5年間、いずれも過去平均を大きく下回る傾向が続いているという。

2011.9月19日 朝日新聞


ニッケル使った燃料電池開発 九大チーム コスト減期待

九州大の小江(おごう)誠司教授(48)=触媒化学=らの研究グループが、安価なニッケルを触媒に使った燃料電池の開発に成功した。性能を高めれば、高価な白金を使う従来の燃料電池に代わるものとして、普及が期待できるという。研究成果はドイツの化学誌「アンゲバンテ」電子版に12日付で掲載された。
 小江教授は2008年、常温、常圧の水中で水素から電子を取り出すニッケル系分子触媒(小江触媒)の開発に世界で初めて成功。この触媒を電極に使った燃料電池の開発に取り組んでいた。
 燃料電池は、二酸化炭素を排出しないエネルギー源として期待されている。水素と酸素を結びつける化学反応をさせて電気を発生させるが、その過程では、水素との間で電子を受け渡ししる触媒が欠かせない。だが、触媒に使われる白金は埋蔵量が限られ、1グラム5千円近い。燃料電池車に使う場合は1台に100グラムほど必要になる。反応の過程で、腐食性の強い過酸化水素が生じる欠点もある。
小江教授によると、小江触媒なら主原料のニッケルは1グラムあたり約1.8円と安く、全体のコストを抑えられる上に、過酸化水素の生成率もゼロという。

2011.9.14 朝日新聞


省エネ目標上乗せへ APECが行動計画

アジア太平洋経済協力会議(APEC)参加国・地域のエネルギー・交通相は13日、米サンフランシスコで会合を開き、交通部門を中心に社会全体のエネルギー効率改善を目指す行動計画を採択した。
域内で「2030年までに05年比25%向上」としている現行エネルギー効率化目標の上乗せを目指すことで一致。輸送部門の省エネ促進のために電気自動車やバイオ燃料の利用拡大を進める。
公共交通やビルの配置などで、二酸化炭素(CO2)排出削減を目指す「低炭素モデル都市」の構想では、次の候補地にタイ・サムイ島、ベトナム・ダナン、ペルー・サンボルハの3都市を選んだ。10月に正式決定する。
 会合では牧野聖修経済産業副大臣が米エネルギー省のチュー長官と会談、米本土からの日本への液化天然ガス(LNG)輸入を働きかけた。長官は理解を示したという。

2011.9.14 産経新聞


環境税の復興財源転用にクギ ガス協会会長、消費税は「あり得る」

日本ガス協会の鳥原光憲会長(東京ガス会長)は13日の定例会見で、東日本大震災からの復興財源として地球温暖化対策税(環境税)の転用が検討されていることについて、「(環境税は)あくまでも地球温暖化対策のための増税であるという位置づけを崩さないようにしてほしい」と述べ、慎重な議論を求めた。
 環境税は、天然ガスなどの化石燃料の輸入時に課す石油石炭税の税率を引き上げ、省エネ対策の財源や化石燃料消費抑制に活用するのが狙い。今年10月から導入することが2011年度税制改正法案に盛り込まれたが、ねじれ国会で改正法案は棚上げとなっている。
 環境税は、エネルギー消費の大きい企業ほど負担が大きくなる。鳥原会長は「税負担の公平感とか経済に与える影響も併せて考えるべきだ」とし、復興財源にはふさわしくないとの考えを示した。
一方、消費税率引き上げについては、社会保障と財政の一体改革のために「不可欠」と指摘。さらに、復興財源としての活用も「あり得る」とした。

2011.9.13 産経新聞


「自然エネルギー財団」設立イベント開催 ソフトバンク・孫氏

 ソフトバンクの孫正義社長が個人で10億円を投じて立ち上げた「自然エネルギー財団」は12日、東京都内で設立イベントを開き、本格始動した。代表理事・理事長にスウェーデンのエネルギー庁元長官のトーマス・コバリエル氏が就任。財団は自然エネルギーの専門家の提言をまとめて発信していく。
同日午後、設立者としてあいさつした孫氏は「福島や日本だけでなく、エネルギー問題は世界共通の関心事になった。中・長期的に原発依存から脱却し、自然エネルギーの普及・拡大を進めなければならない」と訴えた。
コバリエル氏は、脱・原発論者として知られ、8月にスウェーデンのエネルギー庁長官を辞任、新たに財団の理事長に就いた。海外政府機関の有力者を招き、財団は自然エネルギー推進の働きかけを強める考えだ。

2011.9.12 日本経済新聞


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