環境トピックス

  

放射能汚染土、水洗いで除染に効果 東北大が開発

校庭などで放射能を除染するためにはぎ取った表面の汚染土から、放射性物質を効率よく取り除く手法を東北大の石井慶造教授(放射線工学)らが開発し、実証実験を宮城・福島両県で進めている。水洗いして粒子の細かい粘土だけを抽出する。放射性セシウムが粘土に付着しやすい性質を利用した。6日の原子力委員会で明らかにした。
粘土を取り除いた後の汚染土は放射線量が大幅に減って再利用が可能になるほか、廃棄物も減らせる。ただ粘土の含有率によって除染効果も廃棄物の減容率も異なるという。
石井教授らは4月、福島市の聖心三育保育園で実証実験をした。園庭700平方メートルの汚染土を表面から5ミリ分、計7トンはぎ取り、水を混ぜたあと、手動のミキサーで砂利を泥水に分けた。
さらに泥水を洗濯機脱水し、粘土だけ分離。分離した粘土ははぎ取った汚染土の重さの8%だった。粘土の分離除去作業の後に検出された放射性セシウムは、元の測定値(1キロあたり3万ベクレル)の25分の1に減った。

2011.9月6日 朝日新聞


公明、除染費に2.3兆円 3次補正で独自案

公明党は2011年度第3次補正予算案の独自案をまとめ、週内に政府に提案する。東日本大震災の復旧・復興策に加え、歴史的な円高に対応する総合経済対策、社会保障政策も盛り込んだ3本柱とする。東京電力福島第1原子力発電所事故で放出された放射性物質の除染費用に2兆3千億円を計上したほか、資金繰り支援など総額2兆500億円の中小企業対策を盛った。8日に山口那津男代表が発表する。
 震災の復旧・復興策としては5千億円の「原子力災害からの福島復興再生基金」を創設するよう求める。除染後に耕作に適さないと判断された農地を長期的に借り上げ、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を設置したり、福島県内の被曝(ひばく)医療態勢を強化したりする事業を想定する。1兆円の三陸沿岸道路の早期整備費用も盛り込んだ。
 総合経済対策では中小企業対策のほか、省エネルギーの推進のため、旧式冷蔵庫・エアコンの買い替えを促す節電エコポイントの創設や、住宅エコポイントの復活を提案。国内の新規立地支援を柱とした産業空洞化策や雇用対策も求める。
 同党は震災の復旧・復興に限り政府・民主党に協力する姿勢を示している。政府が来月に提出する3次補正に党の独自案がどの程度採用されているかを見て賛否を最終判断する。

2011.9月5日 日本経済新聞


中国・福建省で魚大量死 工業廃水が原因?住民ら抗議

香港紙明報などは4日、中国福建省寧徳市のビン江流域(ビンは門がまえに虫)でこのほど、大量の魚が死んで川面を埋め、周囲の養魚場にも大きな被害が出ていると伝えた。工業廃水による汚染を疑う千人規模の住民が抗議のために道路をふさぎ、警察と衝突したとの情報もある。
 被害が出たのは養魚場が集まる同市古田県一帯で、数日前からビン江や養魚場の魚が相次いで死んでいるのが見つかったという。明報は死んだ魚の数を約900万匹としている。地元漁業当局は何らかの理由による酸欠が原因としたが、住民は納得せず、製薬工場や製紙工場などからの工場廃水による汚染を疑っているという。
香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターは、現地で3日、廃水汚染を疑う数千人の漁民らが国道をふさいで抗議し警察隊と衝突、けが人が出たと伝えた。

2011.9月4日 朝日新聞


首相、地元理解前提に原発再稼働の意向 老朽化なら廃炉

野田佳彦首相は2日の記者会見で、安全性に不安のある老朽化した原子力発電所について、順次廃炉を進める考えを表明した。原発建設に関して「新たに造るのは現実的に困難だ」とも指摘した。運転停止中の原発の再稼働には前向きな考えを強調。「安全性をチェックしたうえで、しっかりと地元に説明をしながら、再稼働をしたい」との意向を示した。
再稼働については来年の電力需要が逼迫する恐れがあることを理由に挙げたうえで、電力不足が国内経済の足かせにならないよう配慮する考えを示した。今後のエネルギー計画では「国民の不安を取り除く形のエネルギーのベストミックスを構築する」と強調した。
一連の首相発言は原発依存度を段階的に引き下げる菅内閣の方針を継承しつつ、現実路線への微修正を図っている。エネルギー計画の見直しでは「新エネルギーの開発、自然エネルギーの代替的普及、省エネ社会を着実に推進する流れの中で、丁寧にエネルギーの基本計画を作り上げないといけない」と述べた。

2011、9月2日 日本経済新聞


福島のごみ焼却場、22か所中16施設で基準値セシウム

家庭ごみの焼却施設の焼却灰から放射性セシウムの検出が相次いでいる問題で、福島県は26日、県内の焼却施設22か所のうち16か所で、環境省の基準(1キロあたり8千ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。
 東京や千葉の家庭ごみの焼却施設から6月以降、国の基準値を超える放射性セシウムが確認され、福島県が7月に調査を開始した。
 福島県のあぶくまクリーンセンターでは、排ガスの集じん装置にたまる灰から約9万5千ベクレル、郡山市の河内クリーンセンターでも同様に約6万6千ベクレルが検出された。県は、家庭ごみとして持ち込まれた樹木や下草を焼却した結果、高濃度の放射性物質が検出されたとみている。

2011.8月27日 朝日新聞


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