環境トピックス

光化学スモッグ原因物質、増え続けるナゾ 環境省が調査

光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントが、全国でじわりと増えている。オキシダントを生み出す原因の揮発性有機化合物(VOC)は国の規制で大幅に減ったのに、オキシダントは各地で環境基準を超えたままだ。環境省は10日に検討会を立ち上げ、ナゾの解明に乗り出した。
 全国に1千か所以上ある測定局(一般局)で測った光化学オキシダント濃度(1日の最高値の年平均値)は、1980年代から微増を続け、ほぼすべての測定局で国の環境基準を超えている。このままでは、光化学スモッグが社会問題になった70年代の水準に逆戻りしかねない状況だ。
 環境省は2006年、化学工場やクリーニング業者などにVOCの排出削減を義務付けた。その結果、全国の排出量は00年に約142万トンあったのが、09年には約82万トンまで減った。しかし2〜3割減ると期待されていたオキシダントは、逆に微増を続けた。

2011.8.14 朝日新聞

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