環境トピックス

  

地デジ非対応のブラウン管TV、増える不法投棄

テレビ放送が完全にデジタル化されてから、24日で2カ月。見られなくなったブラウン管テレビが各地で大量に不法投棄され、大阪府内では前年の3倍を超えている。回収され、処分される際にかかる費用は行政の負担となるため、自治体は頭を痛めている。
大阪府内で不法投棄されたテレビは、府のまとめによると7月は2186台(昨年同月624台)、8月は1869台(同592台)で、ほとんどがブラウン管だ。府資源循環課の小林啓課長補佐は「地デジ化によって見られなくなったブラウン管テレビは全国に1千万台あると推計されており、不法投棄は今後も続きそうだ」と心配する。
東大阪市では連日、市のトラック数台でパトロール。今夏は前年の3倍近い月300台前後を回収した。一般ごみの収集所や人目につかない道路脇などで多く見つかり、一時保管場所には今も大小500台ほどが野積みされている。

2011.9月25日  朝日新聞


京都議定書、EUが延長主導へ…欧州委総局長

欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会で気候変動問題を担当する気候行動総局のジョス・デベルケ総局長は23日、ブリュッセルで読売新聞と会見した。
総局長は、2012年で期限が切れる温室効果ガス排出制限の枠組み「京都議定書」について、「新たな法的枠組みに継承されるべき要素が盛り込まれており、なくしてはならない」と述べ、全ての主要排出国が参加する新たな枠組みで合意するまで延長が必要との認識を示した。
EUは昨年、京都議定書の条件付き延長容認に転じた。デベルケ総局長の発言は、11月28日に南アフリカで開幕する国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、EUが議定書の延長論を主導する姿勢を鮮明にしたものだ。 デベルケ総局長は、議定書延長に当たっては、「(削減義務を負ってはいない)米中やインドなど主要排出国が新たな枠組みへの参加を約束しなければならない」とも強調した。

2011.9月25日 読売新聞


家電45品目、回収制度強化へ…希少金属を再利用

携帯電話、デジタルカメラなど身の回りの家電製品から、金属・貴金属・レアメタルなどを回収する都市鉱山リサイクルを促進するため、環境省は新たな制度の骨子をまとめ、22日、中央環境審議会の小型電気電子機器(小型家電)リサイクル制度小委員会に示す。
 市町村が中心となり、中間処理、精連業者などとともに仕組みを作り、回収技術の確立している金、銀、銅、亜鉛、パラジウムなどを抽出する。対象として、消費者などから料金を徴収せずに採算が取れる45品目を列挙。その他のレアメタルについてはさらに検討し、法案を来年の通常国会に提出する。 
 環境省の試算によると、1年間に使用済みになる小型家電(97品目)に含まれる資源として価値のある金属(計14種類)は重量で28.4万トン、金額で874億円。しかし、家庭から出る小型家電は、種類により21%〜61%が燃えないゴミとして出され、多くは埋め立て処分されている。

2011、8月22日 読売新聞


緑のカーテン、温度差7度も…千葉市役所

千葉市は18日、節電対策として市役所に設けた「緑のカーテン」で、建物の温度上昇が最大約7度抑制できたと発表した。
 同市役所では6月初旬から、西日のきつい1階西側の窓の外にネットを張り、ゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、フウセンカズラなど約100本のつる性植物の栽培を始めた。現在では高さ4メートル、長さ約50メートルもの巨大カーテンに「成長」。直射日光を遮り、葉の蒸散作用で温度上昇を抑え、カーテン両側の温度差を測ったところ、最大7度の違いがあったとしている。アサガオなどの花が見た目の涼しさも演出している。
 カーテンの内側では、ポロシャツ姿の職員らが涼しげに仕事をこなす姿が見られた。市は収穫したゴーヤを市内の児童相談所に食材として提供する予定だ。

2011.8.19 読売新聞


雪国名物・消雪パイプで “打ち水”の実験

冬の道路に地下水を散水して雪を解かしている「消雪パイプ」を、夏の暑さ対策にも用いようと、新潟県長岡市と長岡技術科学大の姫野修司准教授らのグループは2日、「長岡まつり」でにぎわうJR長岡駅前で、道路延長約1.7キロメートルに及ぶ大規模な散水実験を開始した。
「消雪パイプ」は長岡市が発祥地で、今年は、同駅近くの市道に全国で初めて敷設されてから50年にあたる。姫野准教授らは、同市越路地域の道路などで2007年から毎年、夏の散水実験を実施。本格的な市街地ではなく、調査も狭い範囲にとどまったが、最大2度の気温低減効果を確認。昨年、仏・リヨンで行われた水の有効利用に関する国際学会で、温暖化対策への新たな試みとして発表している。
 今回は、廃油を使ったバイオディーゼル発電機で電力を供給し、2日は昼前から午後3時すぎまでほぼ30分おきに約10分程度ずつ散水。サーモグラフィー画面で温度を観察し、高温で赤く映っていた路面上が、低温の青になっていく様子が確認された。会場では、子供などが水を受けて喜ぶ姿も見られた。
 姫野准教授によると、地下水の温度は季節にかかわらず13〜16度程度で安定しており、夏の冷却効果も水道水より高い。散水時間は1日1時間程度で、1日中地下水を使うこともある冬に比べると少なく済むという。
 姫野准教授は「地下水の大切さに気付いてもらう機会にもなる。市街地でこれほど広域で継続的な「打ち水」はほとんど例がなく、貴重な実験」と話す。撒水実験は6日まで行う予定。

2011.8.3 読売新聞


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